うちの親からアイアンセット一式のZELOS7へのリシャフトを頼まれました。
リシャフトしたよのはオノフAKA(2016)のアイアンセット(5I~SWまで計8本)。元のシャフトは純正カーボンのMP-516I フレックスR(52g, トルク3.7, 中調子, 推奨ヘッドスピード35-42m/s)。
なんですが、軽すぎらしくてめっちゃ手打ちしてるんで、スイング矯正の意味で重めにした方がいいんじゃないかとアドバイスし、(ヘッドスピード的にオーバースペックなのはわかってましたが手持ちの都合で)ついこの前まで自分が使っていた950GHを挿してあるアイアンセット一式(ミズノMP-H4 & クリーブランド588 RTX 2.0 CBウェッジ)を貸し出して一緒にラウンドをしてみたところ、ショートアイアン~ウェッジはまぁ950GHでも打てないことはないよねって感じ(重さがある分だけ手打ちを矯正できて、結果的に球の高さが出てる感じだった)。
でもやっぱりミドルアイアンが壊滅的に当たってなかったので、やっぱり950GHは重すぎな印象。年齢、ヘッドスピードや体力面などを考慮して、ZELOS7のRでシャフトを注文。
750GHとちょっと悩みましたが、先調子でしっかりしなる方が合いそうだったので・・・(純正カーボンより重めのカーボンという手もあったけど、試打もできなきゃ触ったこともないシャフトは勧めづらいのです・・・そしてうちの親はちょうどカーボンシャフト全盛期にゴルフを始めた世代なためか、なんとカーボンシャフトのアイアンしか打ったことが今までなかったという・・・)。
#ちなみに、軽量スチールシャフトの代表格ともいえるN.S.PRO 950GHが登場したのは1999年。それまで軽量スチールというジャンルは市場では皆無で、ダイナミックゴールドやライフルシャフトのような重量級スチールかカーボンかという選択肢しかない、さらに全盛期のジャンボこと尾崎将司が他の選手に先駆けてアイアンをカーボンに変えて大活躍、という時代。・・・となればアマチュアゴルファーはほぼみんなカーボンだよなぁ。なお、自分が最初使わせてもらっていたヤマハ Accurace FLEXOR IIIというアイアンセット(1991年発売)は、うちの親が最初に自分で買ったアイアンセットだと言っていた気がします。
ただ、ぶっちゃけると自分用じゃないもんで、好みのフィーリングも実はよくわからないんですけどね・・・(一応、ZELOS7 HYBRIDを入れたGAPR MIDは使ってた時期があるのでなんとなく挙動の雰囲気はわかるけど、なにせヘッドスピードに制限があるシャフトなので・・・多分僕のヘッドスピードでもZELOS6およびZELOS7はホントは振っちゃいけないやつ・・・)。
ちなみに、ストロングロフトで気持ち長めなアイアンセットなので、5I~PWは1番手番手ずらしをしてもよかったかなと注文してから思ったが(某メーカーによると、使用シャフトの番手はクラブ長に合わせるのだそうで、たとえば35.5~35.75インチのPWだとウェッジ用ではなく9番用(35.5)を純正で入れるのだとか・・・メーカーによると思いますが)、後で抜いてずらすことは(短くする分には)簡単なので、今回は5番用(R-37.5)~9番用(R-35.5)を1本ずつにウェッジ用(R-35.0)を3本使用。
R-35.0は重さを測って、重たい方から順にSW、AW、PWへ入れます。
重量のばらつき(個体差)を考えると、ガチなら数セットまとめて注文したいところなのですが、さすがにもったいなくてできない・・・。
・・・結果、ノーカットでも元のシャフトより0.1インチくらい長いだけに・・・(5I~PW)。さすがにノーカットで組んだことなんかないんだけど・・・(笑)
なお、グリップは
・ZELOS7のバット径が14.5mmと細い(M58で適正かと・・・M60でギリ、M62だとゆるゆる)
・細めのグリップが好みだと本人が希望
・手(特に右手)に力が入りまくるクセがあるっぽかったのでノンテーパー気味の形状でソフトなもの
・N.S.のシャフトはヘッドのバランスが経験的に出にくいのでノーマルサイズ(約50g)より軽め
といった観点で、Golf Pride CP2 Pro アンダーサイズ(M58, 45g)を選択しました。
ただ、バックライン有りが好きとのことだったけど、まぁとりあえずいっか・・・(CP2 Proはバックライン無し)。
ソケットは親の好みで外径13.5mmの赤いラインが入ったやつを購入(高さ10mmだったので純正より気持ち低め)。
黒一色のものの方が当然安いんだけどね・・・。
ちなみにソケットの高さも低いと重心が下がるから球も理論上はあがりやすい・・・らしいのですが、数mmではそこまで変わらないのでおまじないレベルの話かなと。
(ウェッジで高さの高いソケットがついていることが多いのは、バックスピンを増やすためらしいです・・・がこれもソケットの材質(樹脂)・重量を考えるとおまじないな気がします・・・)。
で、届いたのでいつも通りヒートガンにてもとのシャフトを抜き、リシャフト作業開始。
標準で入ってた真鍮ウエイト(6I~SW)がヘッドにくっついたままになってしまい、抜くのにすさまじく苦労した・・・。
【リシャフト前スペック】
番手 | シャフト | 長さ | 重量 | バランス | ヘッド重量 | 備考 |
5I | SMOOTH KICK MP-516I R | 38.25in | 351g | C9 | 245.5g | バランス調整ウエイトなし |
6I | 37.75in | 359g | C9 | 249.7g | バランス調整ウエイト3g | |
7I | 37.25in | 366g | C9 | 255.1g | バランス調整ウエイト4g | |
8I | 36.75in | 373g | C9 | 260.6g | バランス調整ウエイト3g | |
9I | 36.25in | 382g | C9 | 267.9g | バランス調整ウエイト1.5g | |
PW | 35.75in | 392g | D0 | 277.5g | バランス調整ウエイト2g | |
AW | 35.25in | 403g | D1 | 286.7g | バランス調整ウエイト2.5g | |
SW | 35.25in | 406g | D2 | 290.2g | バランス調整ウエイト2g |
普通、アイアンのヘッドって番手間で7gの差になっていることが多いと聞きますが、オノフAKA(2016)は差が全然直線的じゃなかったです。
というか、メーカースペック表からプロットすると明らかですが、クラブ総重量(設計値)からして元から直線的じゃない・・・(下図)。
重量フローという意味では全然いけてない気がします・・・標準状態で入っていたウエイトの重量からすると8I~PWの調整後ヘッド重量が特に軽いのですが、比較的シニア向けなクラブなので、わざとなのかな?
ちなみに、SWでヘッド重量290gは軽めだと思います・・・。
自分のアイアンだったら鉛を後からヘッドに貼って調整するところなのですが、今回は親の希望で(見てくれ重視)シャフトのチップ側にウエイトを入れることになりました・・・仮組みとバランス測定繰り返す羽目になって面倒だし見た目以外いいことないんでおすすめはしません・・・(※注:シャフトの先端部分にウエイトを入れすぎると重心位置がネック側にズレて弾道に影響が出るそうです・・・というか曲がるようになるので、本当は後から鉛テープの方が狂わないらしい・・・見てくれは悪いけどね)。
次にシャフトのチップ側をサンディング。ZELOSシリーズは(以前GAPR MIDに入れたZELOS7 HYBRIDと同様)折れる可能性があるとのことで削りすぎ注意だそうです。
バット側を純正シャフトの長さに合わせてカット。パイプカッターが使えるのでスチールシャフトは楽ですねやっぱり・・・。そして、元の純正カーボンシャフトMP-516Iは370tipなので、真鍮のスペーサー(THE GOLF WORKS BRASS ADAPTOR SHIMS .355→.370)を噛ましてZELOS7を挿入。
【組み上がりスペック】※バランス調整後(BC: バットカット、wt: ウエイト)
番手 | シャフト | カット前重量 | 長さ | 組み上がり重量 | バランス | 備考 |
5I | R-37.5 | 74.2g | 38.25in | 370.3g | D0.9 | – |
6I | R-37.0 | 73.4g | 37.75in | 378.3g | D0.9 | wt4.5g |
7I | R-36.5 | 74.4g | 37.25in | 385.0g | D0.9 | wt4.4g |
8I | R-36.0 | 73.7g | 36.75in | 391.7g | D0.9 | wt6g |
9I | R-35.5 | 73.2g | 36.25in | 398.4g | D1.1 | wt6g |
PW | R-35.0 | 73.3g | 35.75in | 405.3g | D1.6 | wt3.5g |
AW | R-35.0 | 73.4g | 35.25in | 414.5g | D2.1 | BC0.5in, wt4.4g |
SW | R-35.0 | 74.1g | 35.25in | 418.4g | D3.3 | BC0.5in, wt4.4g |
スイングのリズムが悪いんでヘッドの重さを感じた方がいいと思い、元より2ポイント程度ヘッドのバランスを出してみました。まぁ、気持ちわるければ通常の50g前後のグリップを入れれば落とせるし。
ちなみにバランス微調整のため、グリップ重量は0.1g単位で測定し、入れる順番を決めました。
完成したクラブの重量を長さで並べてプロットすると以下のようになりました。
重量フロー的にも純正スペックよりきっちり仕上がったかなと思います。疲れた・・・。
でも、ここまでやっても、クラブだけでスコアが上がるわけじゃないからなぁ・・・(さすがにもうちょっと上達してもらいたい・・・)。