正しいヘッドスピードとは何か?

ヘッドスピードの測定器は世の中にいくらでもあります。が、それって正しいの?単純に比較していいの?

というわけで、もはやお約束となりつつあるヘッドスピード測定器の話。値段も性能も測定方法もピンキリである・・・。
以下、価格帯毎に特徴と自分で測ったときのヘッドスピード(ドライバーにて計測)を書き連ねてみる。

1,000~2,000円:ライト G-58 ヘッドスピードテスター等のクラブにつける簡易測定器
実は使ったことがないのですが、個体差が結構あるらしい(Amazonなどのレビューによる)。

8,000円くらい:PRGR New Red Eyes Pocket
ネット上ではユピテルより辛い数値がでる=正確なのではと評判だが、どこがやねんというのが個人的な感想。(個体差なのかもしれませんけど)ヘッドスピード50m/s超とか練習場ボールなのに飛距離300ヤード越えとか怪しい測定値が高頻度で出てました(ありえないから・・・)。

10,000円前後~:ユピテルの測定器
機能も値段も様々だが、だいたい安定して使えてます(使っているのはGST-5GLというネット専売の一番安いモデル)。ヘッドスピードは45m/s前後(マン振りしたら47m/sくらい)、練習場ボールで230ヤードくらいという数値が安定して出る。
なおユピテルでは、nobmaru sensorという測定器も実は出ている(※GST-5Arcのクラブ側につけるセンサー部分の単品売り)。正しくはこれはスイング軌道の測定器であるが、ヘッドスピードも一応出る。といってもシャフトのしなりまでは計測しようがないだろうから、推定値となる。この場合、40m/s前後がいいところでしたね・・・。
ちなみに、ブリヂストンでも実はSCIENCE EYE Portableなる測定器を出している(出していたというべきか)。ヘッドにマグネットを貼り付けて測定する方式らしく、方法自体は一番正確なんじゃないかと思ってる・・・。

20,000~30,000円:エプソン M-Tracer
これも上記nobmaru sensorと同じで、ヘッドそのものの動きを見ているわけではないので推定値となる。だいたい40m/s前後。ヘッドスピードが遅いと診断ではよく言われる(よくコンペで一緒になるゴルフ仲間からは飛ばし屋扱いされているのだが)。

100,000円くらい:FlightScope Mevo
弾道測定器としては安いが、ヘッドスピード測定だけを目的とするならやっぱ高いですね。インパクト付近でのヘッドスピードはちゃんと測っていると思われるが、40m/s前後でしたね・・・。ちなみにキャリーの測定値は200ヤードくらいでした(練習場ボールにて)。実際の弾道と比べると、まぁ、そんなもんかなという気はする(ただし、球がちゃんとあがってなくてもっと早く落ちたと思うときでもキャリーの値にあまり変化なくて、練習場の形状によってはちゃんと測れない気がした)。
スピン量と打ち出し角が測れるという点においてかなり魅力的である(買っちゃった)。

300,000円くらい~:スカイトラック
これを設置してる店舗もよくありますね。せいぜい43m/s程度でした(Victoria Golfにて設置されてた)。たぶんアマチュアゴルファーが個人でも手が届く可能性があるのはこのくらいの値段まででしょうね・・・。
サイドスピンも測れるのがFlightScope Mevoと比べたときのメリットかな(あとソフトウェアのできがよい)。

数百万クラス:
量販店に設置されてる機械は接待モードになっている、なんていう話を鵜呑みにしている人もいるようだが、意外と正確である。というかむしろ辛めな気がする(店舗によるかもしれない)。
パワーヒッター向けの合わないクラブを売りつけてその場では儲かっても、後から「おかしい」と気づかれりゃその店は二度と利用してもらえなくなる。客が減るようなことをわざわざするわけもなく、当たり前といえば当たり前である(重ねていうが店舗によるかもしれない)。
設置されている機械で見たことがあるのはブリヂストン サイエンスアイくらい(だと思う)。トラックマンの設置店には今のところお目にかかったことがない。
カメラで撮影するタイプなのでスピン量の計測精度には定評があるが、ヘッドスピードは?というとやっぱり辛め。40~43m/sくらいだったと思う。

というわけで、測定器によるヘッドスピードの開きは僕の場合で10m/sもあったわけだが(PRGR New RedEyes Pocketは論外として除外しても5~7m/sくらい)、じゃあ「どれが正しいの?」っていう話にはならないんですね・・・。
なぜかとえば、
1.測定器毎の測定方法(特性)による差がある
クラブのグリップ側に装着するタイプの測定器(nobmaru sensorやM-Tracerだけでなく、フルミエルやGarmin Truswingなども同じ)は、そもそもヘッドの速度自体を測っていないので(測っているのはグリップの移動速度だけなので)、推定値である(シャフトのしなりに関しても計算から推定はしてるのだろうが、そもそも使ってるシャフトが違えばしなり方も全然違うわけで、あてになるわけがない)。
ユピテルやPRGRの廉価帯測定器(1万前後~)は、原理上は一応正しいが、そもそもボール初速とヘッドスピードの両方をきちんと測れているのか疑わしいときが多々ある(うまく測れなかった場合計算によって出すと説明書にも明記されている)。センサーの性能の問題ですね。値段の割には頑張ってると思いますが。
では、FlightScope Mevoやスカイトラックは正しいのか?といわれると、やっぱりそれも違うと思う・・・。うーん。
2.(アマチュアゴルファーの場合特に)振り方がそのときによって違うと思われる
アウトサイドイン軌道だとヘッドスピードは上がるそうです。それでマン振りすると見かけ上数値はバカみたいに上がる(経験あり)。ただしミートも悪いしスライスするしで当然飛ばない(笑)。
といったあたりが主な理由。

よって、「同じ計測器の数値同士でない比較」には何の意味もない、というのが結論かなと。
じゃあどうやってクラブ(シャフト・フレックス)を選べばいいんだろう?となるわけだが、「振ってみて打ってみて相性がよけりゃなんでもいい」と思ってます。
R/SR/S/Xといった基準だって同じシャフトの中での相対的な位置づけでしかないのですから・・・。
(ちなみに自分の場合、上記のようなへっぽこ“エンジン”スペックであるが、現在使ってるのはSpeeder 569 Evolution IVのフレックスXですし、以前試打したことのある同シャフトのフレックスSより結果もいいんですよね)